生活保護費の見直しにNO!

公明新聞によりますと、厚労省が8日に発表した生活保護基準の検証結果(見直し)案について、公明党の厚生労働部会(部会長=桝屋敬悟衆院議員)と生活支援プロジェクトチーム(PT、座長=山本香苗参院議員)が12日に会合を開き、「都市部を中心に高齢単身世帯や多子世帯などに多大な影響があると懸念され、このまま容認することはできない」と意見一致を見た結果、加藤勝信厚労相宛ての要望書を八神敦雄大臣官房審議官に提出したそうであります。

具体的には、例えば厚労省案では、食費などの「生活扶助」の引き下げ幅が一部で大きくなり過ぎているため、公明党の要望書では、生活への影響に配慮して「減額幅に上限を定めるなど緩和策を講じる」ことを求めています。また、児童養育加算や母子加算など「子どもの健全育成のための費用が維持されるよう見直しを行うこと」と提案しており、生活保護世帯の子どもに対する大学進学支援の来春卒業生からの実施、生活困窮者自立支援制度における包括的な支援の充実・強化なども要請しています。

生活保護費は、当然、一般低所得者世帯の生活水準動向に併せて制度が整えられていくべきものであり、今回の見直しも、5年に1度実施される生活保護基準の改定に伴って実施されるものです。「減額幅が計算上5%を超える場合は、影響を抑えるために一律で5%の減額」に抑える制度も講じられています。

また、現在は、中学生までを対象に支給されている「児童養育加算」が来年10月から高校生にも月1万円支給される都の変化にも対応しており、子どものいる受給世帯の57%で受給額が増え、43%で減る試算となっています。また、「一人親世帯に限ると、母子加算は平均で月約4千円下がるが、生活扶助費全体で見ると61%で増え、38%で減る」試算ともなっています。

生活保護などのセーフティネット策は、根治が困難な怪我や障害、疾病などにより生活困難になった世帯の家計を支えるものであるとともに、そうした困窮状態からの脱却を図る自立支援の役割も担っています。その点、国は公明党などの提案を受け、低所得層からの高校や大学への進学を応援する仕組みの強化を図っているほか、職業訓練中の生活費の支給を図る制度も、都議会公明党の提案を受け先行実施した都制度を、国制度に格上げし、すでに全国展開しています。

また、すでに今年の10月からは、改正・住宅セーフティネット法が施行されており、高齢者や障害者などの住宅確保困難者の入居を断らない住居として登録した賃貸住宅にあっては、国などの公費を投じて家賃抑制の助成を図る仕組みがスタートしています。この点、すでに都においては、この制度の普及拡大に向け、一層の区市町村負担の軽減を図る都補助の実施を求める提案を、都議会公明党が代表質問で行っています。

加えて、私が都の検討段階から応援してきた受験生チャレンジ支援貸付制度では、高校、大学進学の受験料や塾代について、合格出来たら(合格相当する努力が認められる場合も含め)返済不要の制度も実施されており、今年4月からは、私立高校においても、受験料の実質無償化を実現する制度をスタートさせています。

受験生チャレンジ支援貸付制度では、生活保護世帯を対象外としていますが、この点、都議会公明党は昨年の第四回定例会の代表質問で、生活保護制度においても、高校進学時だけではなく、大学進学時も受給対象とするよう提案しています。これを受け、都は今年四月から、生活保護世帯での大学受験の学習塾費用を助成する区市に対して、全国に先駆け都独自に実施している包括補助の対象を拡大しています。

自力だけでは生活の立て直しが困難な高齢者や障害者の生活保護制度の根幹はきっちりと守り抜く一方で、多くの納税者の方々にもご納得をして頂ける制度改善にも取り組みつつ、親の収入に左右されることなく低所得者世帯のお子さんが進学や安定就労に取り組める制度への充実など、今後さらに公明党が、国会、都議会、区市町村議会の連携を通じて頑張ってまいりますので、ご期待ください。

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