子宮頸がん関するについて最新の論調を紹介します(東京都医師会様の機関紙から)

子宮頸がんの予防策については、HPV(ヒトパピローマウィルス)ワクチンが有効との知見から、平成25年の改正予防接種法により予防接種の勧奨が国策として進む中、副作用の発症を訴える事例が相次ぎ、同年6月には厚生労働省は一時的な接種勧奨を差し控える通達を発し、現在もその状態が続いています。

この点に関し、最近の専門家の見地はどのようになっているのか、私も関心をもっておりましたところ、公益社団法人の東京都医師会様が発行される機関紙「都医ニュース」(Vol.628 平成30年6月15日付け)の二面「みどりの広場」で、東京産婦人科医会会長・東京都医師会理事・東京都慈恵医科大学客員教授の落合和彦先生の「子宮頸がんとHPVワクチン」とのご投稿が掲載されていました。

このご投稿では、HPVワクチンの接種を早期に取り入れたオーストラリア・イギリス・米国・北欧などでは、「HPV感染や前がん病変の発生が有意に低下していることが報告されています」とした上で、HPVワクチン接種後の慢性疼痛や連動障害など「『多様な症例』とHPVワクチンとの因果関係を示す根拠は報告されず、これらは機能性身体症状と考えられるとの見解」が平成29年11月の厚生労働省専門部会で報告されたことを紹介しています。また、「WHOは世界中の最新データを継続的に解析し、HPVワクチンは極めて安全であるとの結論を発表し、わが国での現状を『若い女性が本来予防しうるHPV関連のがんのリスクにさらされたままになっている』との警告を発している」と、綴っています。

その上で、落合先生のお立場なども踏まえてご発言だと思われますが、「日本産婦人科学会、日本産婦人科医会では『将来多くの女性が子宮頸がんで子宮を失ったり命を落としたりするという不利益が生じないためには、科学的見地からHPVワクチン接種の積極的勧奨の再開が必要である』と強く訴えている」とし、「子宮頸がんとHPVワクチンに関しての正しい知識と最新の情報が国民に広く普及することこそ、HPVワクチン接種の積極的勧奨の再開につながるのではと考えている」と結ばれています。

このご投稿の中でも触れられていますが、HPVワクチン接種の接種率は、一時、各地で80%を超えていたものの、平成26年には1%以下に落ち込んだ状況も見られました。

私は、医療の専門家ではありませんので、あくまで専門家同士の中で国策上の協議が進み、一定の結論に至ることが重要さど考えます。その上で、子宮頸がんなどの発症リスクが、わが国でも今後大きく軽減されていく方向になっていくことが望ましいと念願しております。特に、落合先生のご投稿の中で、HPVワクチンの副作用としてわが国で報じられる症状が「機能性身体症状」であると考えられるのと厚生労働省の専門部会の見解に触れて頂いておりますが、この見解が普遍的に正しいこおtが明らかになったとしても、利用者にとって大事なことは、ご関係の皆様がよくお分かりのとおり、ワクチン接種をしてもご本人やご家族が「機能性身体症状」の発症につながらない方法が明確になることだと考えます。

今後とも、この問題を注視しながら、ご貢献できることにしっかりと取り組んでまいりたいと思います。

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