公明党の代表質問(平成30年第二回定例会)で様々な成果が得られました!
2018/6/19
本日、都議会公明党は代表質問を行いました。今回、登壇したのは北区選出の大松あきら都議です。公明党は、全員で何回も打ち合わせを重ね、原稿執筆や局との交渉を全員で分担し、質問を練り上げます。その中で、私も、幹事長、政調会長のもと、政調会長代行として質問の総仕上げに携わらせていただいております。
それでは、質疑の主な内容をお知らせします。
【通学路の安全:都内公立小中学校の通学路におけるブロック塀などの安全を総点検】
まず、今回の大阪北部地震のお見舞いを申し上げ、都としても、国や区市町村教育委員会と連携して、緊急に都内公立小中学校の通学路におけるブロック塀などの安全の総点検をすべきと提案しました。
これに対し、 中井敬三教育長は、「大阪で発生した事態を踏まえ、区市町村教育委員会とも連携しながら、災害時におけるブロック塀等の危険性の把握という視点から、通学路の状況を改めて早急に点検し、児童生徒のより一層の安全確保を図ってまいります」との旨を答弁しました。
【SDGsの視点に立つ都政:から海外の都市問題の解決に貢献し、人権面でも施策を充実】
今年の6月11日、東京2020大会組織委員会は「SDGs」に沿った東京2020大会運営計画を公表しており、東京2020大会は「SDGs」大会を目指す初めての夏季大会となります。「SDGs」とは国連が掲げる17の持続可能な開発目標の総称で、その趣旨は「誰も置き去りにしない」「誰も取り残さない」といった言葉で端的に表現されています。公明党が党是として「大衆福祉」を掲げる理由も、権力闘争や国内外の利害の対立に終始し、庶民を置き去りにしがちであった政治の「転倒」を正すためであり、SDGsの理念はこの党是と合致すると言えます。都議会においてもその意味から、これまで再生可能エネルギーの促進、省エネ・再エネ東京仕様の策定、食品ロス削減やエコマテリアルなどの資源循環、緑施策や生物多様性、エシカル消費の普及啓発などの推進を公明党が図ってまいりました。そこで今回は、「今や世界共通の言語のようなSDGsの視点から海外諸都市と連携して、大都市共通の課題解決を図るべき」、加えて「人権の分野に関しては、子供や女性、障害者やLGBT、在日外国人の人権を守る施策の強化が重要です。都は、今定例会や第三回定例会の中で、都民や都内で暮らす人々の人権を守るための条例の制定などを予定しています。人権施策の強化は、SDGsオリ・パラ大会ともいうべき東京2020大会に向かって、積極的に進展させるべきテーマと考えますが、知事の見解を求めます」と質問しました。
これに対し、小池知事は、「 世界の人口の過半数が都市に集中し、GDPの大半を都市が生み出しております。世界が持続可能な発展を続けていく上で、市民に身近な行政をつかさどる都市の果たすべき役割はますます拡大」としたうえで、「これまでも姉妹友好都市を初め、二都市間、多都市間で交流、協力を図りながら、大都市共通の課題解決に向けて取り組んでまいりました。さらに、SDGsの視点を重視いたしまして、さまざまな分野について、海外諸都市との連携を進めて、世界をリードする持続可能な都市東京を目指してまいります」と抱負を語り、人権施策については、「今般、都はオリンピック憲章にうたわれております、いかなる種類の差別も受けることなくという人権尊重の理念の実現を目指すとともに、新たな人権課題にも対応するために条例を制定いたしまして、誰一人取り残さない社会を築き上げていくことといたしました。
条例制定後は、東京二〇二〇大会を契機に、人権尊重都市東京を国内外に対して発信していくことを通じ、SDGsも踏まえまして、さまざまな人権施策をこれまで以上に積極的に展開させて、大会後のレガシーとしてまいりたいと考えております」と答弁しました。
【受動喫煙防止条例案:都議会公明党として「評価」】
今定例会の焦点となった受動喫煙防止条例案に関する都議会公明党の見解を「条例案は、屋内での受動喫煙を防ぐために、健康への響を受ける、人に着目した点に特徴があります。その観点から、職場における働く人を守る対策や、みずからの意思で受動喫煙を防ぐことが難しい子供たちを守る施策を講じている本条例案を評価したいと思います」と表明しました。
【受動喫煙防止条例案:区市町村の受動喫煙防止に向けた取組費用を全額補助、禁煙外来の医療費も支援】
世界に恥じないスモークフリー大会を目指すという意味でも、2020オリ・パラ大会は重要です。しかし、現状は、WHO(世界保健機関)が屋内全面禁煙義務の法規制の有無を基準に各国の規制状況を四つのランクに分類した調査では、日本は最低のランクに位置づけられています。その意味で、都が、国の健康増進法の改正の動き(現在、国会上程中)に先駆けて、法改正案より一段と踏み込んだ内容としたことを、都議会公明党として理解を示しながら、戸惑いがある現状もあり、「都民や事業者、区市町村の理解と協力を得て実効性ある対策を行うべき」「独自の取り組みを行う自治体には都が全面的に支援すべき」と提案しました。
これに対し、小池百合子知事は、まず、理解促進の面では、都民向けに「広報誌やSNSなどを活用いたしまして、条例の趣旨や目的について普及啓発に努め」ていくほか、「事業者に対しましては、飲食店における取り組みの事例を紹介する研修会の開催、区市町村に対してもさまざまな機会を捉えて、条例に関する業務や受動喫煙防止対策への都独自の支援などについて丁寧な説明を行うなど、受動喫煙防止の取り組みへの理解と協力を求め」ていくと答弁しました。さらに、自治体に対する支援として、「受動喫煙防止対策を進めるためには、区市町村との連携協力が不可欠であります。そのため、都は、区市町村が行います住民や施設管理者に対します条例の趣旨や目的の周知、専門相談窓口の設置などに要する費用を全額補助する考えでございます」、また、「禁煙外来の医療費などに対しましては、助成を行う区市町村の取り組みについても支援をしてまいります」と明快に答弁しました。
【受動喫煙防止条例案:喫煙専用室を設ける事業者の費用への補助率を9/10にアップ】
都議会公明党は、この条例審議にあたり、受動喫煙防止対策プロジェクトチームを会派内に立ち上げ、団体や事業者などとの意見交換や視察を行ってきました。私も、その中で5月23日にはPTメンバーに同行し、連合東京の皆さんからご意見を頂戴しました。賛成反対、様々ご意見を頂戴する中、「特に飲食店にとっては、経営に影響を及ぼす可能性もあり、その支援策は不可欠です。都は、平成27年7月から、外国人旅行者の受け入れに積極的な宿泊、飲食施設の分煙環境の整備に対する補助事業を行っています。この事業の対象を条例に適合する喫煙専用ルームの設置などにも広げ、あわせて補助の割合も大幅にアップすべき」と提案しました。
これに対し、小池知事は、外国人旅行者の受け入れ向けの中小飲食店の分煙環境の整備の支援策について、「今回の条例案の内容に沿いまして、補助対象を喫煙専用室の設置に見直すとともに、条例による規制の対象となります中小飲食店への補助率を五分の四から十分の九に引き上げるなど、支援内容の充実を図りまして、事業者の負担軽減に配慮する方針」と答弁しました。
【受動喫煙防止条例案:自治体による屋外の公共喫煙所の整備も都が全面支援】
日本では、海外とは異なり、地域限定ながら面的な路上喫煙防止策が先行して実施されてきました。都内でも、美観や清潔感のあるまちづくりや大人の歩きたばこが子供の目の位置にあたる事故などの危険防止の観点から、いくつかの区市が路上喫煙防止の条例を制定しています。そうした中で、都が先行して屋内禁煙の条例を施行しますと地域のよっては、喫煙できる場所がどこにも見当たらない、あるいは、場所が狭まるという事態も発生し、配慮が必要です。健康増進の意図の徹底的な追求を願う人々からは「喫煙場所などいらない」といったご意見も頂戴しますが、そのためには、より本格的な議論が必要であり、それこそ、都民・国民の合意の醸成という環境整備を真摯に整備すべきです。目的が良くても手段を過てば、強権政治の容認につながり、「もろ刃の剣」化し、そうした手法がその後、悪用されかねません。そこで、都議会公明党は今回、「公共の屋外喫煙所の設置に取り組む自治体に対しては都が全面的に支援すべき」、併せて、「都内の事業者や飲食店などの不安を解消し、受動喫煙防止対策への取り組みが進むよう、建築や経営のコンサルタントなどを配置したワンストップの窓口を設置するべき」と提案しました。
これに対し、小池知事は、「屋外の公衆喫煙所の設置などに要する経費を全額補助するなど、地域の実情に応じた区市町村の取り組みを積極的に支援していく」ほか、「条例の施行に当たりましては、都民や施設管理者等の不安を解消して、ご理解、ご協力をいただくことが必要でございます。そのため、都は、専門相談窓口を設置いたしまして、規制の内容に関するお問い合わせや各種の相談に丁寧に対応してまいります。また、喫煙専用室の設置などに関するご相談がありました場合には、各施設の状況に沿いました具体的な助言ができるように、専門のアドバイザーを派遣する」と答弁しました。
【受動喫煙防止条例案:「加熱式たばこ」の規制は国と同一歩調。健康影響に関する研究の成果次第で必要な措置を実施】
「紙たばこ」の健康への悪影響の認識はほぼ定着していますが、「加熱式たばこ」については、最近の開発でもあり、まだデータが整っていないという見方があり、都議会公明党に寄せられたご意見や都議会公明党が行ったヒアリングの席でも、慎重な規制を望む声が寄せられていました。その点、都の当初の骨子案では、飲食店の客席での加熱式たばこの喫煙を認めない意向でしたが、提出された条例案では、当分の間、飲食も可能な加熱式たばこ専用喫煙室の設置を認め、国の健康増進法改正案と同じ規定となっています。他方、「加熱式たばこ」も「紙たばこ」と同様に規制すべきという熱心なご意見も、医師会の皆様などをはじめ根強く存在しています。そこで、都議会公明党は今回、「加熱式たばこの扱いを変更した経緯」と「今後、加熱式たばこについては、受動喫煙の健康影響に関する調査研究の結果を踏まえ、それに基づく適正な措置を講ずるべき」と提案しました。
これに対し、小池知事は、「4月20日に公表した本条例の骨子案では設置を認めておりませんでした。そのため、加熱式たばこにつきましては、健康影響が明らかでない段階で紙巻きたばこと同じ規制とすべきではない、国と同様の規制内容とするべきなど、さまざまなご意見を頂戴したところでございます。また、国と意見交換をいたしました際にも、法案と整合を図るようにご意見をいただいております。こうしたことを踏まえまして、本条例では、加熱式のたばこの規制場所につきましては、法案と同様の取り扱いとしたもの」と説明し、今後の取り扱いとしては、「加熱式たばこは、その主流煙に健康に悪影響を与えるニコチンや発がん性の物質が含まれていることは、科学的に明らかとなってはおります。ただ、現時点では、受動喫煙による将来の健康影響を予測することは困難ともいわれております。現在、国は、加熱式たばこによる受動喫煙の健康影響に関する研究を進めておりまして、都は、今後の研究結果を踏まえて、必要な措置を講じてまいります」と答弁しました。
【障害者差別解消条例案:「合理的な配慮」の義務化を民間に周知。ハンドブックを改定してシンポジウムも開催】
公明党は、かねてより、障害のある方もない方も持てる力をともに発揮し、参加できる社会をつくる法整備を推進し、その結果、平成28年4月には国で障害者差別解消法が施行され、都においては、同じく29年の12月にの第四回定例会の代表質問で、障害者への差別を解消する都条例の必要性を訴え、安心して相談できる環境や、公平、公正な調査や評価の仕組みの整備を求めました。都議会公明党は今回、都条例案を、行政機関だけではなく民間事業者にも合理的配慮を法的義務とするもので、民間事業者には努力義務にとどめている国の法律よりも一歩前進の内容と評価したうえで、「現状では、合理的配慮という言葉やその意味が余り知られていないという課題があります。このままでは受けとめ方に差が生まれ、対応に混乱が生じるおそれもあります。都民はもとより、合理的配慮の提供が義務化される民間事業者に対し、合理的配慮という言葉の概念や内容と、それが義務化され、協力が必要になっていることの十分な周知が必要」と指摘しました。
これに対し、小池知事は、平成28年の障害者差別解消法の施行に合わせて作成したハンドブックについて、「本条例成立後には、このハンドブックを改定いたしまして、都民や事業者の方々に説明会やシンポジウムなどを通じまして、一層の周知を図ってまいります」とし、「多様性こそが都市としての発展の原動力でございます。都民一人一人が自分らしく輝くことができる都市、ダイバーシティーの実現を目指しまして、今後とも障害者への理解促進と差別の解消に全力で取り組んでまいります」と答弁しました。
【障害者差別解消条例案:問い合わせに対応するため、都庁内の「東京都障害者権利擁護センター」に「広域支援相談員」を新たに配置。公正・中立な専門家による第三者機関で紛争の解決をあっせん】
条例の施行後には、区市町村や民間からの合理的配慮に関する疑問、問い合わせが想定されます。米国などでは、訴訟によってこうした紛争の解決を図りますが、日本にはなじみません。そこで、都議会公明党は今回、「都は、個々の相談に丁寧かつ適切に対応するとともに、相談によってもなお解決が見込めない場合の紛争解決の仕組みを整備するべき」と提案しました。
これに対し、小池知事は、都庁内に設置してある「東京都障害者権利擁護センター」において、「本条例の施行後は、障害者差別の解消に知識や経験を有する広域支援相談員を新たに設置いたしまして、助言や関係者間の調整を行うなど、個々の事例に専門的な対応を行ってまいります。また、相談によりましても紛争の解決が見込めない場合には、学識経験者、弁護士、障害当事者、事業者などで構成されます第三者機関が、公正中立な立場からあっせん案を当事者に提示いたしまして、紛争の解決を図ってまいります」と答弁しました。東京都福祉のまちづくり推進計画におきましては、情報バリアフリーの充実をその柱の一つに位置づけまして、障害のある方々への情報保障がより一層進むように取り組んで
【障害者差別解消条例案:来年度、情報バリアフリーの充実を柱に「福祉のまちづくり推進計画」を改定】
本条例案では、手話を言語と位置づけるなどの情報保障の推進が盛り込まれたほか、筆談、点字、拡大文字、読み上げなど障害者に配慮した情報提供を明文化されています。都議会公明党は、都民向けの出版や配布物、都税納付書、水道検針票などに文字を音声化する音声コードを添付すること、文字を大きく見やすくする大活字化、動画への字幕の付与などを推進してきました。そこで今回は、「情報保障の施策を着実に展開するためには、こうした視点を含め、情報保障のための推進計画策定が不可欠」と指摘しました。
これに対し、小池知事は、「お話のように、主税局や水道局など各局におきましては、都民向けの文書に音声コードを付すなどの取り組みを進めております。こうした取り組みを都庁全体で進めるために、来年度改定をいたします東京都福祉のまちづくり推進計画におきましては、情報バリアフリーの充実をその柱の一つに位置づけまして、障害のある方々への情報保障がより一層進むように取り組んでまいります」と答弁しました。
【児童虐待防止:副知事をトップとする全庁一丸のプロジェクトチームを設置】
児童虐待の痛ましい事件が後を絶ちません。そこで、都議会公明党は今回、その根絶のためには、さらに細かい対策の網の目の整備が必要であり、虐待の兆候のキャッチに必要な、保育、教育、住宅、医療機関など生活現場の至るところをカバーする機関の連携を図るべく、「全庁横断的なプロジェクトチームを立ち上げ、各局が連携し、都の総力を挙げて取り組むべき」と提案しました。
また、「児童虐待の予防から防止に至るまで、警視庁との連携を初め、都庁各局の責務を明らかにし、都内自治体の取り組みも含めて、都民全体で取り組むべき内容を明らかにするためには、条例の制定が必要」と指摘し、知事の見解を求めした。
これに対し、小池知事は、「児童虐待防止の取り組みを進めるためには、関係各局の連携が重要であることから、新たに副知事をトップといたしまして、子供・子育て施策推進本部のもとに虐待防止のためのプロジェクトチームを立ち上げ、全庁一丸となって、スピード感を持って取り組んでまいる所存でございます」と答弁したほか、「児童相談体制をさらに強化するため、児童福祉司、児童心理司の増員など児童相談所の体制の強化、一時保護所職員の増員などによりまして、24時間365日、子供を見守る体制を強化し、また、警察との連携や法的対応力の強化、地域でのネットワークのさらなる強化を早急に検討するように、関係局に指示をした」と述べたうえで、「全ての子供を虐待から守る環境づくりを進めるために、行政の責務、都民の責務、保護者の責務、情報の共有などの内容を盛り込みました都独自の条例を新たに策定してまいります」と答弁しました。
【東京2020大会:期間中に東北被災地三県と熊本県でライブサイトを開催。都内区市町村のコミュニティ・ライブサイトも組織委員会と協議して積極的に後押し。あらゆる人が楽しめるよう障害者に情報を保障】
チケットを持たない人を含めて、誰もが気軽に大会の迫力と感動を共有し、安全で快適に楽しむためには、ライブサイトの取り組みが重要で、会場に入れなくてもより大勢の人と一体感をもって応援する高揚を味わうことが可能になります。仲間とは重要です。都内ではすでに八カ所のライブサイト候補地が検討されていますが、都議会公明党には被災県からも、被災地でのライブサイトの実施を求める要請が寄せられています。そこで今回は、ライブサイトに関する「都の取り組みについて見解」を求めるとともに、三多摩の市長会から寄せられている市町村が設置するコミュニティライブサイトに対する支援について、「都は最大限の支援をすべき」と提案しました。併せて、「あらゆる人がライブサイトで大会を楽しむには、障害のある人への情報保障が必要」になるため、具体策について見解を求めました。
これに対し、潮田勉オリンピック・パラリンピック準備局長は、「東京二〇二〇大会期間中、都は、東北被災三県と熊本県においてライブサイトを実施する方針」と表明したうえで、「現在、各県の意向を伺いながら、具体的な開催場所や実施日程の協議」しているとし、「被災地の方々に大会の雰囲気を身近な場所で体感していただけますよう、ことしの秋ごろに予定しているライブサイト基本計画の策定に向けまして、着実に準備を進めてまいります」と答弁しました。さらに、東京2020大会の盛り上げのためには、区市町村が身近な場所で実施する地域のコミュニティライブサイトの取り組みの推進が必要としたうえで、「コミュニティライブサイトにつきましては、現在、組織委員会が実施スキームを検討中でございまして、近く概要を公表する予定であります。都としては、区市町村の希望に沿った円滑な実施ができますよう、組織委員会と協議を進めているところであります。今後とも、都内全域での盛り上げにつなげるため、区市町村の取り組みを積極的に後押ししてまいります」と答弁しました。さらに、ライブサイトにおける情報バリアフリーの取り組みについては、「現在検討中である競技会場内の取り組み等も参考に、関係団体等とも連携を図りながら、障害の有無にかかわらず、誰もが楽しめる環境整備に向け、検討を進めてまいります」と答弁しました。
【東京2020大会:会場最寄駅から会場観客席まで一体的にバリアフリーを推進。観戦に際し障害者が必要とする情報を事前に周知】
わが党の視察では、平昌パラリンピックの大会会場近くの鉄道駅では、車両とホームの段差が七十センチもある箇所があり、昇降機が必要になっていました。そこで今回は、「東京パラリンピックにおいても、最寄り駅から会場の観客席までの動線においても万全なバリアフリー化を期すべき」と要請しました。加えて、平昌パラリンピックでは、会場と最寄り駅を結ぶバス輸送において、ノンステップバスの車両数が限られており、いつ、どこに向かって発車するのかがわからず、車椅子の観客などが困惑しておりました。そこで、「教訓を生かし、必要な情報の十分な事前提供、会場での周知を行うべき」と求めました。
これに対し、潮田オリパラ局長は、「大会運営の指針でありますアクセシビリティ・ガイドラインや、障害者等の動線となるアクセシブルルートの案を公表いたしました。それらの内容を踏まえ、ルート上の段差解消のほか、エレベーターや誘導ブロックの設置等について、鉄道事業者やおのおのの施設管理者等に働きかけを行い、既に駅や道路、競技施設で対策が始まっているところ」としたうえで、「引き続き、組織委員会等と連携し、駅から客席までの一体的なバリアフリーの確保を着実に進めてまいります」と答弁し、障害者等への大会情報の提供については、アクセシビリティ・ガイドラインでは、「必要な情報が事前に行き渡りますよう、音声読み上げに対応したホームページや点字つきの刊行物等を準備するとともに、大会時には、会場等の案内標識にピクトグラムや矢印を用いることなどで、外国人なども含めまして、あらゆる方々にわかりやすい情報提供を進めていくこと」としていることを紹介したうえで、「今後、過去大会の教訓なども踏まえつつ、バスの乗降場など、移動に関しての必要な情報や当日変更があった情報を障害者等ができる限り迅速に入手できる方法について、組織委員会と連携し、検討してまいります」と答弁しました。
【被災地支援:復興の総仕上げに協力するため、東北三県に今後も都の職員派遣を継続】
都議会公明党は、被災直後から被災地を幾度も訪問し、災害廃棄物の都内処理、被災地応援ツアーなどによる観光業への支援、行政職員の派遣推進などに取り組んできました。そのうえでわが党は、この4月から6月にかけて、発災後七年を迎えた岩手、宮城、福島の三県を訪問し、復興への取り組み状況を視察してまいりました。私の宮城県を訪れました。その際、次第に各自治体から派遣される応援職員の数が減る中、三県ともに都から派遣されている職員の活躍が復興の大きな力になっていることを改めて実感しました。各県からは、都の職員派遣を継続し、復興の総仕上げに力をかしてほしいとの強い要望も受けたところです。そこで今回は、「被災三県がそろって大きな期待を寄せる派遣職員です。被災地の復興なくして大会の成功なしとの思いを込め、派遣を継続すべき」と提案しました。
これに対し、小池知事は、都がこれまで、延べ三万人を超える職員を派遣してきたことや、自身も発災直後から、そして、何度も被災地を訪れ、知事就任後も改めて三県を訪問し、昨年度も各県の知事と会い、「復興を引き続き後押ししていく思いをさらに強く」していると述べたうえで、「東京二〇二〇大会に向け、復興した被災地の姿を世界に届けられるように、総仕上げに取り組む被災地への職員派遣を今後も継続してまいります」と確約しました。
【被災地支援:観光支援に向け、海外メディアの記者にラグビーワールドカップの岩手県を含め、福島県、宮城県への取材を依頼し、各地の認知度向上に貢献】
国全体では、外国人の訪日数は順調に伸びています。しかし、東北にはその恩恵はまだ届いておらず、特に、風評被害などから被災三県には一層の支援が必要です、そこで今回は、「2019年に釜石市でも試合が行われるラグビーワールドカップなどは大きな機会となります。そこで、都としても各地の魅力を発信する観光プロモーションの強化など、都が持つノウハウを最大限に活用し、東北地方の観光支援に積極的に取り組むべき」と提案しました。
これに対し、小池知事は、「東京2020大会やラグビーワールドカップ2019などの国際的なスポーツイベントは、東北の観光の魅力を世界に発信する絶好の機会」であり、「被災地の復興を後押しする」ことにもつながるとしたうえで、「これまで、東京と東北地域の自治体、交通事業者から成る協議会を復興支援としていち早く立ち上げまして、都内と東北を結ぶ観光ルートの情報をウエブサイトで紹介をするなど、双方の魅力を発信」して来たことに触れ、「今年度は、新たに、海外メディアの記者の皆さんを招聘いたしまして、ラグビーワールドカップ2019の会場となる岩手県に加えまして、宮城県、福島県のそれぞれの観光スポットもあわせて取材をしてもらうことで、海外での認知度をさらに高めてまいります」と答弁しました。
【被災地支援:福島県内へのMICE誘致を都が検討】
都議会公明党による直近の訪問では、福島県の関係者より、観光客だけでなく、平日のビジネス客の誘致が風評被害の打開に向け大きな課題となっているとの要請がありました。郡山のビッグパレットやホテル併設の大規模会議場など、東京からのアクセスもよい施設も数多く存在しています。そこで今回は、「福島県内へのMICE誘致に向けても、現地と連携して支援すべき」と求めました。
これに対し、藤田裕司産業労働局長は、被災地応援ツアーにより、平成29年度末までに、宿泊では約17万9千泊、日帰りでは約6万1千人分について助成を行ったことに触れつつ、「今後は、ビジネス目的の旅行者にもより多く福島県を訪れていただくため、観光パンフレットの配布のほか、MICE誘致の支援制度等のPRにも協力するとともに、県や県内各関係団体等のMICE誘致に向けた取り組みの現状や意向を確認しながら支援内容を検討してまいります」と答弁しました。
【被災地支援:中高生を2020年大会にボランティアとして招き、観戦体験を推進】
都議会公明党の被災地訪問では、「心のケアがなければまちは活性化しない」「特に子供たちにオリ・パラ大会にかかわりを持たせてあげることで、心の中によい思い出を残してあげたい」との要望がありました。そこで、「東京2020大会では被災地の子供たちを東京に招き、一生の心の宝となるすばらしい体験ができるよう取り組んでいくべき」と提案しました。
これに対し、小池知事は、「東京2020大会は復興オリンピック・パラリンピックであり、被災地の復興なくして大会の成功はないこと、これを常に念頭に置きながら大会の準備を進めております」としたうえで、「私自身、被災地でのフラッグツアーなどを通じまして子供たちの笑顔に触れることで、被災地の未来を担う世代に夢と希望を与えることが大切だということを実感してまいりました」と述べ、「大会期間中には、中高生による大会でのボランティア活動体験であるとか観戦機会の提供などを通じまして、被災地の子供たちにも大会の感動を深く心に刻んでもらいたいと考えております。被災地の子供たちに大会の経験というレガシーを残せるように、今後とも、国、組織委員会、被災県などと連携をいたしまして、これらの取り組みの具体化に向けた検討を進めてまいります」と答弁しました。
【被災地支援:被災地の教訓や体験に基づく都民向けセミナーで被災地に学ぶ防災対策を推進】
東北の被災三県では、東日本大震災の教訓を踏まえた危機管理対策の充実強化に、大いに学ぶことができました。
例えば宮城県では、多岐にわたる震災の教訓を十三分野、四十六の項目に分けて整理し、防災対策に生かしています。また、公明党の県議が制作に深く関わった、読みやすく、わかりやすい漫画の防災読本「地震・津波防災のひみつ─東日本大震災を忘れない─」などの活用も進んでいます、この防災読本は、宮城県教育庁スポーツ健康課が監修したもので、東京を含め、全国の学校や図書館などに贈呈されています。そこで今回は、都においても、こうした被災地の実体験を貴重な教訓とする防災対策の取り組みが必要であると考え、「今後は、東京都と被災地が連携して防災フォーラムを開催するなど、東日本大震災の被災地に学ぶ取り組みを強化するべき」と提案しました。
これに対し、小池知事は、「東日本大震災から七年がたち、震災の記憶が風化しつつある中、改めて当時の状況を思い起こし、都民の防災意識を高めていくことは重要でございます。このたびの大阪府北部の地震に、またあのときの記憶を呼び起こさせてくれたものと思います」と述べ、「被災者によります体験談、発災時に役立つ防災人材ネットワークづくりなど、震災の教訓を踏まえた取り組みの紹介を被災地と連携して実施するなど、都民向けセミナーの充実を図ってまいります」としたうえで、「今後とも、被災地に学びながら、都民の防災意識の向上と、自助、共助の取り組みの推進を図り、誰もが安全・安心を実感できるセーフシティー東京の実現を目指してまいります」と答弁しました。
【環境施策(明治の森・高尾国定公園):活性化策として夏までに管理計画案を取りまとめ。登山届けてポストを新設。高尾山の魅力をビジュアルで伝えるホームページを制作。国定公園指定50周年の機を捉えたイベントやシンポジウムを開催】
都議会公明党はこれまでトイレの整備など、世界的に評価の高い高尾山の自然保護をマッチした魅力向上を具体的に推進してきました。都は、昨年の第三回定例会のわが党の質問に対し、都は、高尾地域において管理運営協議会を設置し、自然の保全とにぎわいの拡大などに積極的に取り組むと答弁しており、昨年11月に協議会を設置し、管理運営計画案の検討を進め、今年の五月にはパブリックコメントを実施しています。そこで今回は、「本年度は、明治の森高尾国定公園の誕生50周年であり、この機会を捉え、協議会メンバーと連携し、明治の森高尾国定公園を広く盛り上げていくべき」と提案しました。
これに対し、和賀井克夫環境局長は、同協議会が、高尾・陣場地区自然公園管理運営計画案を策定中であり、これは、「関係者の意見を取り入れながら、自然景観と調和した建物の色彩やドローン使用ルールなどを示したものでございまして、今後、パブコメ等も反映し、夏までに取りまとめを行ってまいります。また、活性化策としまして、協議会の提案や協力により、高尾山で初となる登山届ポスト設置や、地域の魅力をビジュアルで伝えるホームページの制作などを実施してまいりました。さらに、国定公園指定五十周年の機会を捉えた魅力的なイベントやシンポジウムの実施などを通じて、より一層高尾地区の盛り上げを図ってまいります」と答弁しました。
【環境施策(電動バイク):国補助と合わせてガソリン車と同程度の負担で購入できる都補助を実施。大規模なスポーツイベントで救急EVバイクを導入。メーカーの技術開発を都が誘導】
バイクは、もともと燃費や輸送効率にすぐれた環境性能の高い乗り物であり、さらに電動化が進めみ一層環境負荷の低い乗り物となることが期待されています。しかし、国内で生産されている電動バイクは現在一種類のみで、世界を見渡しても商品化の実例はまだ少なく、電動バイク市場はようやく胎動したばかりです。一方、バイク販売の世界シェアでは、わが国のバイクメーカーがおよそ5割を占めており、より多くのメーカーが電動バイクの開発を進めて、多様な車種を提供できるようになれば、世界のバイクの電動化を一気に加速させていくと期待されています。そこで今回は、「電動バイク導入についても新たな補助制度を実施するなど、初期需要の創出を図り、メーカーの開発意欲を高めることで、世界の動きをリードしていくべき」と提案しました。
これに対し、小池知事は、ガソリン車が中心であるバイクについても、走行時に排出ガスを出さない「ゼロエミッション化が重要であって、世界シェアの約5割を占めるわが国のメーカーには先導的な役割を果たしてもらいたい」との考えを表明したうえで、日本自動車工業会を訪問し、「電動バイクの大型化を目指した技術開発などについても要望した」と述べ、「都におきましては、今年度から事業者全般を広く対象として、国の補助とあわせて、ガソリン車を購入するのと同程度の負担で電動バイク、EVバイクを導入できる補助制度を実施し、普及を図ってまいります。また、大規模なスポーツイベントなどで迅速な応急救護などを行うための救急EVバイクを導入してまいります。これらの取り組みによりまして電動バイクの普及を図って、メーカーの技術開発を誘導しながら、ゼロエミッション東京の実現を目指してまいりたい」と答弁プラスチック製容器包装などを使い捨てにしないライフスタイルへの転換を強く推進しました。
【環境施策(プラスチックごみの削減):今秋秋にレジ袋対策のマイバッグ持参をキャンペーン。区市町村との共同検討会でプラスチック製容器包装を使い捨てにしないライフスタイルへの転換】
世界的には、マイクロプラスチックが海洋汚染対策を引き起こすとして、マイバッグ持参などのレジ袋対策が進んでおり、フランスでは、一昨年の七月からレジ袋の配布が禁止されています。わが国でも、マイクロプラスチックとなる製品の使用抑制を事業者に要請する法制化の動きや、産業界では、マイクロビーズを使用した製品の自主規制の動きが出初めています。そこで今回は、「都は今後、レジ袋対策に、全国に先駆けてマイバッグの活用に取り組むとともに、プラスチックごみのリサイクルの推進について、区市町村などとの連携をさらに進めていくべき」と提案しました。
これに対し、和賀井環境局長は、「商品を持ち帰るために一回だけ使用され、そのまま捨てられるレジ袋は、もったいない資源利用の代表」としたうえで、「都では、昨年11月から、販売事業者、消費者団体、区市町村などとの意見交換の場を設け、レジ袋の無料配布ゼロに向けた取り組みについて議論を重ねて」いることや、「先日開催いたしました環境国際会議におきましても、レジ袋を初めとするプラスチック対策が大きな話題になりました」と最近の動向を紹介し、「今後は、さまざまな主体を巻き込んだ、チームもったいないの重要なテーマの一つとして、店舗へのマイバッグ持参の呼びかけなどを含めたレジ袋の削減キャンペーンを本年秋に展開するほか、区市町村との共同検討会なども通じて、プラスチック製容器包装などを使い捨てにしないライフスタイルへの転換を強く推進してまいります」と答弁しました。
【環境施策(紙おむつのリサイクル):一部自治体の実証実験の結果を踏まえ、衛生的かつ効率的なリサイクルについて区市町村と意見交換】
紙おむつは、乳幼児向けや成人向けなど需要が増大しています。一方、材料となる輸入パルプ資源の枯渇、使用後に焼却処分を行う燃料の増加とコスト増、埋立処分する焼却灰の増加などが、今後深刻な課題となっていくことが必至と予想されています。加えて、保育施設や介護施設を初めとする事業所では、使用済み紙おむつの処理が負担となっています。そのため、国では、使用済み紙おむつを粉砕して下水道に流そうとの研究が始まっていますが、都の下水管路にとっては、根詰まりなどの懸念を払拭できず、課題があります。わが党は先日、使用済みの紙おむつを収集、リサイクルする事業者や自治体の取り組みを視察しました。使用済みの紙おむつを固形燃料や段ボールなどにリサイクルする取り組みのほか、殺菌処理して、再び紙おむつをつくり出す取り組みも試行されていました。そこで今回は、「今後は、こうした紙おむつのリサイクル化の動きが都内の区市町村にも広がっていく可能性があり、都もSDGsの観点から積極的に対策を講じるべき」と求めました。
これに対し、和賀井環境局長は、「持続可能な資源利用に向けましては、可能な限り3Rを推進し、廃棄物の最終処分量を減らしていく必要」があるとしたうえで、「使用済み紙おむつにつきましては、汚物を含む廃棄物であるため、衛生管理の徹底が必要であり、現在、その多くが焼却処分されて」いるとし、「一部の市町村では、分別収集し、燃料等にリサイクルしている事例がございます。また、回収した紙おむつを滅菌処理した上でパルプ繊維に再生し、そこから再び紙おむつの原料としていく先駆的な実証実験も行われて」いるとして、「都としましては、こうした実証実験の結果等も踏まえながら、紙おむつの衛生的かつ効率的なリサイクルについて、区市町村とも意見交換をしてまいります」と答弁しました。
【環境施策(PCB処理):都施設でのPCB含有機器の保管数を公表。照明用安定期が7万個以上、高圧コンデンサーが05台、高圧トランスが16台】
PCB、すなわち、「ポリ塩化ビフェニル」は電気絶縁性が高く絶縁用の油として各種の電気系の機器に使用されてきました。しかし、昭和43年のPCBが原因となったカネミ油症事件が社会に大きな衝撃を与え、国は昭和47年に製造を中止し、回収を指示しました。しかし、PCBの含有機器を処理できずに、倉庫などに保管されている現状が問題視されています。加えて、PCBの漏えいする事故が全国で発生しており、都内でも小学校の授業中に古い照明用安定器が破損して、PCBが漏れて児童にかかったりしています。そこで、「現在、都が保管、使用しているPCB含有機器等の種類と数量を尋ねました。
これに対し、和賀井環境局長は、都有施設のPCB含有機器の保管状況を、平成29年度の保管状況の届け出により、高圧トランスが16台、高圧コンデンサーが95台、照明用安定器が7万1627個と答弁しました。
【環境施策(PCB処理):都施設を対象に、高圧受電施設に加え、今後は、低圧受電施設についても、PCBを含有する照明用安定期などの掘り起こし調査を実施】
PCBは機器の保管者が把握している機器以外に保管、使用されているおそれがあり、調査が必要です。都が民間事業者の模範となるよう、PCB含有機器が使用されていた昭和52年3月以前に建築・改築された施設を含め、掘り起こしのための全数調査を徹底して行うべきと求めました。
これに対し、和賀井環境局長は、「都はこれまで、全庁の連絡協議会を通じて、高圧受電施設について倉庫等に保管されたままのものがないかなど、確認を徹底してまいりました。さらに今年度からは、低圧受電施設についても調査を拡大し、照明用安定器等のさらなる全数調査に向けた掘り起こしを行ってまいります」と答弁しました。
【環境施策(PCB処理):PCBの含有の有無を効率的に把握する方法について、今後検討を開始】
こうした取り組みを都みずからが行った上で、民間事業者に対してPCB含有機器の処理を強く促していかなければなりません。しかし、民間事業者が取り扱うPCB含有機器は膨大な数に上ります。その膨大さがPCB処理をおくらせている要因の一つとなっています。
そこで、都は、民間事業者がPCB処理に取り組みやすい工夫を指し示すべきと考えますが、見解を求めます。
これに対し、和賀井環境局長は、「都はこれまで、高濃度PCBを保有している可能性のある事業者に対し、掘り起こしを目的とした全数調査を効率的に行うため、電気機器等に表示されているメーカーや製造年などの情報からPCB含有の有無を知るチェック方法を示してございます。今後とも、PCB含有の有無を知ることのできる効率的な方法について、事業者の声を聞きながら、さらに検討を進めてまいります」と答弁しました。
【環境施策(PCB処理):今後、都庁内に保管されいるPCBの届け出情報の公開を前倒しし、PCB処理の促進につながる民間ノウハウを新たに検討】
特に高濃度のPCBの無害化を処理できる施設は限られており、都内に残る高濃度PCBの処理が可能な施設はその稼働期限が法定で残り五年となっています。期限内の処理完了を実現するためには、一つには、届け出を通して都庁内に蓄積されている民間のPCB保有情報の公開時期を前倒しすることが必要です。さらには、PCB含有機器を抱える民間事業者が取り組むべき処理の促進について、計画策定などについての都の支援が必要になっています。そこで、「都は、こうした課題の解決に向けて、今こそ乗り出すべき」と提案しました。
これに対し、和賀井環境局長は、「都はこれまで、法に基づく毎年の届け出の機会を通じて期限内処理を促すとともに、中小企業等に対しましては、処分費用に対する国の補助制度に加え、都独自の収集運搬費用に対する補助を実施してございます。さらに、事業者の使用及び保管状況の公表につきましても、今年度からできるだけ前倒しするとともに、PCBの処理促進につながる民間ノウハウの活用方法についても新たに検討してまいります」と答弁しました。
【教員の国際交流:教員同士の国際交流モデルを確立し、覚書締結先を初めとする国、地域に展開】
教育の分野においても、環境教育など一国だけでは解決が難しい問題が増え、国を超えた協力が求められています。主要国の教育大臣会合も、2006年以来開催されていませんでしたが、一昨年にわが国のリーダーシップにより十年ぶりに再開され、好評を博しています。今後はさらに、政府レベルだけではなく、現場の教育者の交流が必要で、互いの教育力の向上、それぞれの教育課題の解決につながることが期待されています。そこで今回は、「東京都教育委員会がこうした教育者の交流の場をつくれば、世界の教育に貢献するという名誉ある地位を世界に発信することができます。現在、東京都教育委員会は、海外の教育機関と交流する覚書を結んでいます。こうした枠組みを生かして、現場の教育者同士が国際交流できるネットワークを広げていくべき」と提案しました。
これに対し、中井教育長は、「都教育委員会は、これまでに7都市等と覚書を締結しており、その一つであるカナダ・ブリティッシュコロンビア州との間で、双方の教員が文化や教育事情を紹介し合う情報交換会等を平成28年度から開催してまいりました。参加者からは、複数の学校と直接対話して多様な教育状況を知る機会は貴重であるなど、好評を得ているところでございます。今後、こうした取り組みを教員同士の国際交流モデルとして確立し、覚書締結先を初めとする他の国、地域にも展開をしてまいります」と答弁しました。
【教員の国際交流:都立高校の姉妹校制度を活用し、生徒だけでなく、教員の交流も拡大】
都立高校ごとの自主的な活動として、海外学校との姉妹校交流が進められています。そこで今回は、「こうした海外の学校との交流の枠組みを活用して、生徒とともに教員同士の交流を広げ、教育力の向上を図るべき」と提案しました。
これに対し、中井教育長は、「姉妹校交流等を積極的に推進している学校では、互いの学校を訪問する際に、学校生活における特色ある活動や国際交流に関する取り組みについて紹介し合うなど、教員同士の交流機会の確保に取り組んでおります。そこで、都教育委員会は、こうした姉妹校交流を初めとする多様な国際交流に先駆的に取り組んでいる都立学校15校を他校の牽引役として、本年5月、国際交流リーディング校に認定いたしました。今後、リーディング校において、教員同士が主体的かつ継続的に交流する手法を検討開発していく取り組みを支援するとともに、その実践を他校にも発信していくことで、教員の国際交流にかかわる実践力や指導力を向上させてまいります」と答弁しました。
【創業支援:今年度は創業時経費への助成規模を拡充。商店街のチャレンジショップを新たに多摩地域に開設。開店費用への補助制度も拡充】
高齢化や人口減少などによるわが国の閉塞感を打開するためには、国内外の消費を大きく喚起する魅力に富んだ商品開発やビジネスモデルなどが求められています。例えば、都のビジネスプランコンテストでは、若者から毎年千件以上のアイデアが寄せられています。そこで今回は、「都は今後、こうした新たな可能性を具体的なビジネスへと結びつける施策の充実を図るとともに、わが党が提言してきた、若者や女性などを企業や商店経営の新たな主役に育てる事業を強化するべき」と提案しました。
これに対し、藤田産業労働局長は、「東京の産業の発展に向け、その新たな担い手となる若者や女性の起業を支援することは重要」と述べたうえで、「若者のすぐれた事業プランを表彰し、起業を後押しするほか、女性の創業の計画づくりをサポートするサービスや創業時の賃料等の経費への助成を行っております。また、商店街に出店する若者等をふやすため、店舗の運営を学ぶチャレンジショップの提供や、開店に向けた改装費用等に補助を実施して」いることを紹介し、「今年度は、創業時の経費への助成の規模を拡充いたしますほか、商店街におけるチャレンジショップを新たに多摩地域に開設するとともに、開店費用への補助制度の充実も図ります」と答弁しました。
【知財保護:今年度から知財保護の相談体制を強化し、海外での著作権の登録経費への助成を開始。加えて、創業の補助制度で特許取得のコストも新たに対象化】
企業が自社の強みを収益増へと結びつけていくためには、知的財産保護の取り組みが不可欠ですが、創業時にあっては資金やノウハウが不足し、対応できない状況も見受けられており、わが党は昨年の第四回定例会で、知的財産の保護に向けた支援を国内外を問わず幅広く展開していくよう提案しました。そこで今回は、知的財産保護を目的とした都の助成事業や相談窓口について「質量ともに充実を図るべき」と提案¥しました。
これを受け、藤田産業労働局長は、「今年度から、中小企業の知的財産の活用のニーズの高まりに対応するため、相談体制の充実を図っております。また、海外での著作権の登録に必要な経費への助成を開始いたしますほか、創業に必要な費用を補助する制度において、特許取得のコストも新たに対象としているところ」と答弁しました。
【都市農業:今後、都市農地保全支援プロジェクトで福祉農園や学童農園の整備を区市町に積極的に働きかけ、障害者の参加や子供の農業体験の場づくりを後押し】
生産緑地制度の改善や貸与による耕作の継続などの工夫が国で整う方向にある中、新たな担い手の確保・育成は、農業分野の喫緊の課題です。公明党はことし二月、党内に設置する都市農業振興プロジェクトチームが都市農業フォーラムを開催しており、農地存続に向け、新たな耕作者を募る都の取り組みの強化を求める声を伺いました。そうした中、わが党は本年一月、都内でNPO法人が運営している就労継続支援B型事業所の農園を視察し、農福連携による精神障害者の就労支援の取り組みが大きな可能性に富むものであることを実感してまいりました。そこで今回は、「高齢者の生きがいづくりや障害者の活躍の場としての農地活用を本格化するとともに、近隣の学校も含めた地域住民との交流を図り、農業の持つ力を地域社会に還元していくべき」と提案しました。
これに対し、藤田産業労働局長は、「都市農業や農地は、農産物の生産に加え、環境や防災等の多面的機能を有しており、その機能を発揮し、地域住民の彩りのある生活に貢献することが期待されているところ」と述べ、「今年度から開始をいたしますシニア向けセミナー農園事業において、高齢者が指導を受けながら農業の体験や技術の習得に取り組む機会を提供いたしますとともに、地元自治体等と連携して収穫祭を開催するなど、地域の学校や住民との交流活動を実施する予定」とし、また、「今後、都市農地保全支援プロジェクトを活用した福祉農園や学童農園の整備を区市町に積極的に働きかけることにより、障害者の参加や子供の農業体験の場づくりを後押ししてまいります」と答弁しました。
【都市農業:都立の農業系高校でGAP認証に挑戦。農産物を文化祭や地域のイベントの場で販売するなどの取り組みが生徒の大きな励み。東京2020大会にも食材の提供を目指す】
知事は所信表明で都立の農業系高校でGAP認証の取得を進めていく旨を表明しており、認証の取得は高校生が農業者として成長する貴重な体験、誇らしいレガシーになるものと考えます。そこで今回は、「高校生の活動の姿をより多くの都民に知っていただくことができれば、東京2020大会の機運向上にもつながる」と推進を求めました。
これに対し、小池知事は、「世界的に食の安全や環境保全、労働安全などに配慮した農業が求められる中で、都は、都市農業の特徴を反映いたしました都独自の東京都GAP認証制度を今年度から開始」し、「農産物の安全・安心の確保と環境に配慮した持続可能な東京農業を推進」しているとしたうえで、5校の都立の農業系高校でGAP認証の取得に取り組むことは、「高い教育効果を生むだけではございません。持続可能な東京の都市農業を担う人材の育成にまさに貢献するものと考えます」と答弁し、さらに、「GAP認証を受けて生産した農産物を学校の文化祭や地域のイベントの場で販売することなどを通じまして、広く都民の皆様に知っていただくことは、生徒にとりまして大きな励みになると考えております。こうした取り組みが東京二〇二〇大会への食材の提供につながる、そして都立の農業系高校や生徒たちの大会後のレガシーとなっていくことを期待しております」と答弁しました。
【都立病院改革:都立病院の担う使命をさらに追求した改革という視点で検討を深めるべき】
都立病院では、経営改革の一環として、地方独立行政法人化が話題となっています。
都議会公明党は、何よりも重要なことは、将来にわたって都民が都立病院に期待する医療を安定的に提供し続けることにあると考え、調査を開始しています。先日訪問した調査先の病院では、関係者から、概ね地方独立行政法人化が、専門性や地域特性に応じた医療の展開に加え、県や市の医療課題に即し、救急医療、災害医療、感染症対策などにも大きな役割を果たすほか、機能や役割が異なる複数の病院の一体的な運営により、医療面、経営面でのスケールメリットが期待され、新たな経営形態による機動性を生かし、医療人材の柔軟な確保や働き方改革、患者サービスの向上につながっているとの見解も示されました。そこで今回は、「わが党は、成功事例だけでなく、課題を抱える事例にも視察先を広げていく予定でありますが、都は今後、都立病院新改革実行プランを踏まえ、都立病院の経営形態のあり方について、都立病院の担う使命をさらに追求した改革という視点に重きを置いて検討を深めていくべき」と要請しました。
これに対し、内藤淳病院経営本部長は、都立病院は他の医療機関では対応困難な行政的医療の中核的な役割を果たしており、「この役割を将来にわたり果たし続けるためには、一層の経営改善に取り組むとともに、病院事業を支える医療人材を柔軟に確保、活用するなど、都民、患者のニーズに迅速に対応できる病院運営が不可欠」としたうえで、「その実現のためには、都の医療政策の推進に都立病院が積極的に貢献できるよう、都による適切なガバナンスを行えること及び採算の確保が困難な行政的医療を安定的に提供するための財源を引き続き措置できることが重要であると認識しております。こうした観点に立ち、みずからの使命にかなう経営形態のあり方につきまして、引き続き丁寧に検討してまいります」と答弁しました。
【工業用水道:廃止の場合は、都の支援期間を早急に示し、十分な支援策を講ずるべき】
小池知事は、廃止を示唆する有識者委員会からの提言を踏まえ、今定例会の所信表明で、廃止に向けた動きを進めるとの方針を示しています。わが党は、「いざ廃止するとなればユーザーへの影響は重大で、今回の都の廃止方針に対して、既に多くの方々からの不安と心配の声が我が党に寄せられています。とりわけ、都が十分な支援策を講じてくれるのか、特に廃止に伴い切りかえられる水道料金と現行の工業用水道料金との差額支援の期間を十分確保すべきとの声が多く寄せられております。廃止に向けた動きを進めるには、こうしたユーザーの理解を得ることが欠かせ」ないとしたうえで、「そこで、今回の有識者委員会では、料金差額の支援期間を十年程度としていますが、都は今後、ユーザーの意見を聞きながら、都としての支援期間を早急に示すとともに、十分な支援策を講ずるべき」と要請しました。
これに対し、武市敬財務局長は、「工業用水道の廃止に向けた動きを進めるに当たりましては、ユーザーの理解を得ることが何よりも重要」であり、「料金差額の支援期間の検討に当たりましては、ユーザーの声にしっかり耳を傾けながら、上水道への切りかえに伴い急激な負担増を招くことのないよう、多角的かつスピード感を持って進めていく」とし、「今後とも、ユーザーに対して事業の方向性を丁寧に説明するとともに、寄せられた意見や要望も踏まえながら、関係各局と連携し、料金差額の支援期間を含め、きめ細かな支援策を検討してまいります」と答弁しました。。
【特殊詐欺防止:若者を加害者にさせない対策を強化。暴力団等の手口に関するて防犯講演、罪の重さの認識を広めるリーフレット。勧誘された若者などが気軽に相談できる若ナビαの活用】
特殊詐欺は、数々の対策にも拘わらず、警視庁の統計では、平成29年は都内で九年ぶりに認知件数が三千件を超え、本年も昨年の上回る認知件数で、深刻な状況となっています。今回、都議会公明党は、「特殊詐欺の犯人として、高齢者等から現金を受け取る受け子や、銀行から現金を引きおろす出し子といった存在」に着目し、「平成29年の警視庁の統計によると、特殊詐欺事件の検挙被疑者の約九割が十代から三十代で占めており、アルバイト感覚で軽い気持ちで引き受けたものの、知らない間に加害者になっていたというケースも少なくない実態」であることを指摘し、「特殊詐欺が減らない現状においては、これまでの被害防止対策に加えて、未来ある若者を特殊詐欺の加害者にさせない取り組みが重要」であり、「若者を加害者にさせない対策強化」を求めました。
これに対し、大澤裕之青少年・治安対策本部長は、「若者がアルバイトと称して暴力団等から受け子などに誘われる等して、検挙人員がふえており、若者を加害者にさせないための取り組みが重要と認識して」いると述べ、「中学校や高校において暴力団等が甘い言葉で受け子に勧誘する防犯講演を行うなど、若者が犯行に利用されないための啓発を実施しております。さらに、今年度は、犯罪の重大性や受け子などで捕まった場合の罪の重さ等を認識させるリーフレットを作成し、広く周知するとともに、勧誘された若者などが気軽に相談できる窓口、若ナビαを紹介し、広報、啓発の一層の強化を図ってまいります」と答弁し、「今後とも、警視庁や学校、地域の方々等と連携し、若者を加害者にさせない取り組みに全力を尽くしてまいります」と答弁しました。
【特殊詐欺防止:生活指導担当者対象の連絡会等において、複雑巧妙化する特殊詐欺の現状に関して警察官による講演を実施。加えて、警視庁が作成したDVD教材を学校で活用】
平成26年の警視庁の統計によると、特殊詐欺の全検挙者数の約二割を十代が占めています。そこで今回は、「学校においても、子供を特殊詐欺などの犯罪に加担させないためのさらなる対策を講じる必要があると考えます」と、都教育委員会の見解を求めました。
これに対し、中井教育長は、「子供が特殊詐欺に巻き込まれることを防ぐためには、犯罪の実態を理解させるとともに、みずからの正しい判断によって行動できるように指導することが必要」と述べ、「今後、都内全公立学校の生活指導担当者対象の連絡会等において、複雑巧妙化する特殊詐欺の現状に関して警察官による講演を実施するとともに、警視庁が作成したDVD教材の学校での活用を促すなどして、子供が犯罪に巻き込まれないための指導を一層強化してまいります」と答弁しました。
【不合理な国の財政措置への対抗:オール東京で一致団結をして、税制改正に向けた都の主張に一層磨きをかけ、強力に発信】
都の財源を国が不合理に奪う措置の強化が進んでいます。国は先週、閣議決定した骨太の方針の中では、幼児教育、保育の無償化の前倒し実施などの評価すべき施策が盛り込まれた一方で、地方法人課税における税源の偏在を是正する新たな措置について検討し、平成三十一年度税制改正において結論を得ることが改めて明記されています。総務省は新たな検討会を立ち上げ、具体的な検討を開始しており、都から財源を奪う動きはますます加速しています。これに対し知事は、東京と日本の成長を考える検討会を立ち上げ、議論を開始したところです。そこで今回は、「都市と地方で限られた財源を奪い合うという近視眼的、現状維持的な考え方ではない、地方税財源のあり方についての本質的な議論を進めていくべき」と求めました。
これに対し、小池知事は、国は東京から累計で六兆円もの財源を奪ってきており、平成31年度の税制改正で「東京を始め、都市部の財源をさらに奪おうとする動き」と警戒を述べ、「東京を標的とした税制度の見直しは、地方が抱える財源不足の根本的な解決にはつながりません」「目先の対応に終始する姿勢が、日本の将来を考える上で果たして望ましい姿なのかどうか、首都東京を預かる者として強い危惧を抱いている」とし、「東京、そして日本を持続的成長に導くためには、首都東京が力強い牽引役となって、各地方もみずからの権限と財源をもって地域を活性化させることが重要」であり、加えて、「真の地方分権を見据えた地方税財源のあり方について大局観を持った本質的な議論を行うこと、これが不可欠」との観点から、「東京、日本の将来に対しまして、こうした同じ思いを抱く都議会各会派の皆様や都内区市町村の代表の方々に加えまして、より幅広い議論を行うために、学識経験者やジャーナリスト、そして経済の第一線でご活躍されておられる企業経営者や経済団体の方々を交えまして、新たに検討会を立ち上げて、腰を据えて議論を行っていくことといたしました」と検討会の狙いを説明し、「オール東京で一致団結をして、税制改正に向けた都の主張に一層磨きをかけ、強力に発信をしていく、そのことで都民、国民の皆様の理解と共感を広げていきたい」と答弁しました。